2008年12月4日木曜日

中間試験?何それおいしいの?

・読んだ本 (著者 題名)
ヘルマン・ヘッセ 車輪の下

■簡単な作品紹介
自然が好きな少年ハンス。彼は周囲の人々の期待に応えようとひたすら勉強し、
神学校の入学試験に通るが、そこでの生活は少年の心理を踏みにじる規則ずくめなものであった。
少年らしい反抗に駆り立てられた彼は、学校を去って見習工として出直そうとするが…。
自然などに生きがいを感じるも、次第に厭世的になっていく少年の心を描いた作品。

■感想的な
この作品で素晴らしいと感じたのは、なんといっても心理描写である。
特に自然を愛するものと厭世的になる様子が優れている。
ハンスは神学校入学以前ひたすら勉学にはげみ、自然に対する思いを一時的に忘れてしまうが、
神学校に受かったあとの休暇で再びそれを取り戻している。
ひたすら勉学をし、頭痛を訴えるまでに至るも、自然の一つ一つに感動する心を持っていたハンス。
しかしだからこそ故に、彼は傷つきやすく生き抜いていくことに苦痛を覚えたのであろう。
神学校のための勉強のシーンでは、少年ハンスの苦悩が描かれているが、
これは特に受験勉強の厳しい日本ならば親近感を覚える人も多いのではないだろうか。

この本ではヘルマン・ヘッセが体験したことがほぼ限りなく事実に近く描かれている。
ヘッセは幼いときから「詩人になるか、でなければ何にもなりたくない」と感じており、この本でもハンスの神学校時代の親友、ハイルナーにそれが投影されている。

# 今まではただ単に本のタイトルを載せるだけでしたが、これからは時間があるときには簡単なあらすじと感想も載せたいと思います。(試験期間中になのに時間あるの?ってつっこみは受け付けません