2012年3月3日土曜日

2月分の読書記録

2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1527ページ
ナイス数:16ナイス

進化心理学入門 (心理学エレメンタルズ)進化心理学入門 (心理学エレメンタルズ)
短い入門書なのでそれほど気になる点は無かった気がする。ただ進化心理学自体が新しい分野で入門書が数えるぐらいしかないので、その意味で貴重な本ではある。各章末にある参考文献と巻末にある用語解説は便利かな
読了日:02月26日 著者:ジョン・H. カートライト
戦争と平和 (3) (新潮文庫)戦争と平和 (3) (新潮文庫)
まずそれぞれの人物が個性的に描かれているのが良い。例えば父を亡くす際の公爵令嬢マリヤや自負心の高すぎるモスクワ総督ラストプチン、思索は深まってゆくが行動がなかなか出来ないピエール、死の床にあったアンドレイ侯爵とナターシャとの再会など数えきれない。貴族だけでなくもぬけの殻となったモスクワの様子なども書かれている。またこの巻ではトルストイの、一人の人物ではなく無数の原因が歴史を決めるという歴史観が出てきている。そのことは、巻中でそれを知っていたクトゥーゾフと知らなかったナポレオンという風に対照的に描かれている
読了日:02月20日 著者:トルストイ
ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ (岩波新書)ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ (岩波新書)
ダーウィンの進化論の特徴は自然淘汰、分岐の原理、そして人間の道徳感覚の起源を生物学の中に求めたことなどであると著者は言う。今でこそ人間の性質と生物の進化を結びつけるような本などは(誤謬に基づくものも含めて)巷に溢れかえっているが、当時ではこれは革新的なものであった。これは人間だけが特別な存在だとする宗教などと真っ向から反対するものだからである。生物は局所的な環境に適するように形質を分岐させていく。そして適さなかったものは自然淘汰されていく。このことは見た目だけでなく心的なものにも起こっているのである
読了日:02月08日 著者:内井 惣七
かもめ (1952年) (岩波文庫)かもめ (1952年) (岩波文庫)
個人的には『桜の園』のほうが好きかなぁ。本の表紙にもある通り「旧い世代と新しい世代」、「愛と芸術」辺りがテーマになってるとは思うけど、前者のほうはそれほど表には出てこなかったような気がする。今は新しい訳も出てるみたいなので、そっちのほうで再読するかも?
読了日:02月04日 著者:チェーホフ
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)
1,2章は科学哲学よりの内容で、3,4章はより社会に密着した内容。付録として放射性物質に関するデマが載っている。伊勢田さんの名前につられて読んだ節があるので、自分には1,2章が面白かった。科学が応用される場面では「危険か危険でないのか」という両極端な対立になりやすいが、この本ではそれを「程度問題」として見ることを薦めている。例えば「発がん性物質が他の製品より多い」や「放射線量が○○倍」といったものはすぐに「危険だ」と思われがちだが、どちらも人間の健康に影響しない程度ならば「あまり危険はない」と評価出来る。
読了日:02月02日 著者:菊池 誠,松永 和紀,伊勢田 哲治,平川 秀幸,片瀬 久美子

2012年2月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター